エンジンがかかった状態ではバッテリーのマークをした警告灯は消えたままになるのが正常な状態です。
なんらかの不具合が車に発生すると、エンジンがかかってもバッテリー警告灯が点いたままになったり、走行中にいきなり点灯するケースもあります。
ところが、そのままで走ると消えることもあり、「あれ?気のせいだった?故障じゃない?」と思ってしまうこともあります。
今回はバッテリー警告灯が走ると消える事例や、アイドリングでもしばらくすると消える場合の原因についてのお話です。
バッテリー警告灯が走ると消える原因
走ると消えるのはエンジン回転に関係する?
まず、バッテリーの警告灯が点灯するおもな原因はバッテリーそのものではなく、おもに「オルタネーター」と呼ばれる発電機の不具合であることが多いです。
つまりバッテリーのマークをしているのは『バッテリーへの充電が不十分ですよ』ということを知らせるための警告灯ということになります。
オルタネーターベルトが滑っているケース
バッテリーを充電してくれている発電機(以下オルタネーター)が十分仕事をしていないとバッテリー警告灯が点灯するため、なんらかの発電不足になる原因があるはずです。
とくに多いのがオルターネーターを回転させているベルトがゆるくなってしまってオルタネーターを十分回転させてくれていないことがあります。
アイドリング中や低速走行中ではベルトが滑ってオルターネーターの回転が足りていませんが、走り出すと回転があがり、バッテリー警告灯が消える場合はベルトを交換、または張りの調整をする必要があります。
カーボンブラシとの接触が一時的に回復するケース
オルタネーター内部には回転する軸の部分に電気を流すためにブラシと呼ばれる部品がつねに接触しています。
バッテリーの警告灯が点灯するパターンとして多いのが、このブラシが磨耗してしまって回転部分のスリップリングと接触不良がおきてしまい発電不良になります。
ブラシが磨耗して限界に近づいたときの初期症状として、バッテリーの警告灯がついたり消えたりすることがありますが、エンジンの回転が低いときは警告灯が点きやすいです。
エンジンの回転を上げたり走り出すとブラシとスリップリングの接触面積が警告灯が点灯しないぎりぎりまで保持できることで警告灯が消えることがあります。
どちらにせよ、エンジン回転が落ちたりするとすぐにバッテリー警告灯が点灯するのでバッテリー内の電気がどんどん消耗していき最終的には車が止まってしまいます。
バッテリー警告灯がしばらくすると消えることもある
上述したようにオルタネーター内部のブラシ消耗が限界をむかえはじめたすぐでは警告灯がついたり消えたりしますが、なにもしなくてもエンジンをかけたまましばらくすると消えることがあります。
オルターネーター周辺や内部の温度が変化するとICレギュレーターと呼ばれる電子部品やダイオードが不具合を起こしたり、逆に一時的に回復することがあります。
とくに電子部品などは熱に弱く、高温になると不具合を起こし車が走り出してエンジンルームに走行風が入ると冷却されて不具合が解消されることがあります。
充電制御車のセンサー不良
充電制御車はバッテリーへの充電を制限することでオルタネーターにかかる負荷を軽減し、エンジン出力をセーブすることで燃費を向上させています。
そのための制御としてバッテリーに流れ込む電流をカレントセンサーなどのセンサーで検出しオルタネーターに発電するかどうかの命令をしています。
ごくまれにカレントセンサーに不具合が出たことでオルタネーターもバッテリーも正常にもかかわらずバッテリーの警告灯が点灯したことがあります。
しかも症状が出始めた初期ではバッテリー警告灯はついたり消えたりするので、運転手としてはエンジンをかけてしばらくすると消えるので気が付かないこともあります。